トーメンエレクトロニクス株、プラチナチケット争奪戦

カテゴリ:

トーメンエレクトロニクスのつづきです。29日株式市場では、TOB価格1,650円のトーメンエレクトロニクスに、買い注文が殺到しました。本日終値は300円ストップ高比例配分の1,493円。いつものTOB銘柄です。

トーメンエレクトロニクス1月29日気配値

7558-20140129b

引けの15時時点で、買い注文が2000万株超、売り(=出来高)が19,400株。トーメンエレクトロニクス株は、約1000分の1の確率で当選するプラチナチケットになりました。

約10年前、このようなストップ高比例配分のプラチナチケットをゲットする手法がマネー雑誌等で紹介されていました。今回のトーメンエレクトロニクスでは、普通にネット証券1社で買い注文を出せば、10万株の買い注文で100株当選する可能性があります。

ところが、店頭の証券会社を含む、複数の証券会社でバラバラに注文を出せば、100株以上のトーメンエレクトロニクス株が手に入る、という手法です。ただし、店頭の証券会社だと、ネット証券より売買手数料が高いので、トーメンエレクトロニクスの売買で儲けがあるかわかりません。利益を計算してみましょう。

仮に、購入した株を1,650円で売却できたとするなら、

(1,650円-1,493円)×100株=15,700円

となります。往復の売買手数料が15,700円より少なければ、その差額が儲けとなります。

トーメンエレクトロニクス以外のストップ高銘柄で同様の手法を試すと、株価が翌日に急落して含み損という「泣きっ面に蜂」状態になりかねません。トーメンエレクトロニクスは、TOB価格1,650円(ほぼ確実に1,650円付近まで値上がりする)という安心感がある分だけ、手堅いです。

今も通用するのかわかりませんが、複数の証券会社に資金をプールできる余裕と、それぞれの証券会社に注文を出すフットワークの軽さがあれば、成功するかもしれませんね。

TOB銘柄を狙うハイエナたち

カテゴリ:

1月28日取引終了後、豊田通商はトーメンエレクトロニクスに対して、TOB(株式公開買付)を行うと発表しました。TOB価格は1,650円、TOB期間は未定です。

豊田通商は、トーメンエレクトロニクスの完全子会社化を予定していますので、全株式を買い取り(購入株数に上限がない)ます。トーメンエレクトロニクスは将来的に上場廃止を予定しています。

通常、上場廃止を予定している銘柄の場合、その株価はTOB価格付近まで、ほぼ確実に近づきます。この現象をサヤ寄せと言います。トーメンエレクトロニクスの28日終値は1,193円。値幅制限(この価格帯は上下300円まで)がありますので、1月30日に1,650円付近に到達するでしょう。

さて、この値幅制限(制限値幅)というのが曲者(くせもの)で、TOBが絡むと、投資家にとって儲けのチャンスになります。そのひとつが「夜間取引の活用」です。

トーメンエレクトロニクス1月28日夜間取引気配値

7558-20140128pts

こちらの画像は、ジャパンネクストPTS(SBI証券)の夜間取引終了時の気配値です。夜間取引では、昼間の株式市場より一足先に、TOB発表を踏まえた取引が可能となります。この時間帯では、1,493円に50,700株、1,250円に100株の買い注文が入っています。1,493円は、株式市場の終値に比べて300円ストップ高の値段です。

この買い注文は、俗っぽくいうと「情報弱者を狙って」います。株主がTOB価格1,650円を知っていれば、こんな値段で売りません。TOBを知らない投資家、もしくは、28日中にどうしても売らねばならない投資家、をカモにしようとしているわけです。

仮に、1,493円で買えれば、1,650円との差額が儲けになります。

(1,650円-1,493円)×100株=15,700円

となり、100株につき、15,000円を超える儲けが手に入ります(手数料等のぞく)。

そうは言っても、簡単に売り注文は出てきません。売り注文が出てくるのは、おそらく29日の夜間取引からだと思います。株式市場(のトーメンエレクトロニクス)が1,650円に近づくのは30日昼、夜間取引が1,650円に近づくのは29日夜。1,493円ではもちろん買えませんが、1,630円~1,640円であれば、買えるかもしれません。時間のある方は、SBI証券の夜間取引をのぞいてみてください。取引時間は午後7時から午前0時までです。

マルハニチロの安値更新。

カテゴリ:

悪材料出尽くしと思っていたマルハニチロホールディングス(1334)。新しい材料に乏しい中、株価が直近安値を下回りました。

マルハニチロ(1334)日足チャート6ヶ月分

1334-201308-201401

事件発生後も176円をキープしていたのですが、このタイミングで安値を更新しています。こういう現象はめずらしいなあ。

次の目安は、2013年6月7日の166円。以降、4月2日の161円、2月15日の151円とつづきます。さすがにアベノミクス前まで戻るとは思えませんが、このチャートだと下げを想像します。このシグナルがダマシだといいんですけどね。

マルハニチロの悪材料出尽くし

カテゴリ:

前回の答え合わせです。マルハニチロホールディングス(1334)の子会社、アクリフーズの異物混入事件。株価に影響を与える情報がいくつも同時が出てきました。

(1)容疑者の逮捕(株価にプラスの要因)

こちらはみなさんご存知の通りです。いろいろなところで報道されています。

(2)業績下方修正の発表(株価にマイナスの要因)

1334-20140127

売上高が50億円の減少、営業利益(本業の利益)が35億円の減少、当期純利益が25億円の減少となりました。業績下方修正です。といっても、過去の類似事件と比べますと、損失額が極端に巨額ではありません。

(3)社長の交代(株価にプラスの要因)

マルハニチロホールディングスおよびアクリフーズの社長が交代するそうです。社長交代による業績への影響は大きく、株価もそれを先取りするように動くことがあります。

以上、(1)(2)(3)の要因を合わせた結果(株価)がこちらになります。

マルハニチロ(1334)5分足チャート(2営業日分)

1334-20140124-0127-5m

1月24日と27日の5分足チャートです。事件の進展により、株価が反発して始まりました。しかし、徐々に失速し、先週終値と同じ値段で終わりました。出来高は1249万2000株。普段より多いですが、事件発表直後の1900万株超には届きませんでした。

おそらく、本日の取引を持って、マルハニチロ関連の売買に一区切りがつくと思われます。リバウンド狙いの買いの投資家、信用売りの投資家ともに、手じまいを行っているでしょう。残っているのは中長期組が中心。株主優待組が多いのではないでしょうか。

ちなみに、別のブログでも書いたのですが、NISA組がここを大量に買っていたのは驚きでした。マルハニチロの復活を信じている個人投資家が多いんでしょう。5年後はどうなっているかわかりませんが、安全でおいしい冷凍食品が食べられるようになっていれば良いなと願っています。

月曜日のマルハニチロの株価はどうなる?

カテゴリ:

マルハニチロホールディングス(1334)の子会社、アクリフーズの異物混入事件。事件に進展があり、ヤフーニュースでトップ記事になっています。容疑者逮捕によって、事件は一区切りつきますが、マルハニチロの株価はどのようになるでしょうか?

マルハニチロ(1334)2014年1月日足チャート

1334-201401-1

事件発表から一押しした株価は、その後、ほぼ横ばいがつづいています。さまざまな報道や会社発表がありましたが、株価はほとんど反応せずに180円前後の水準を保っています。

通常、事件に大きな進展があったことで、投資家は悪材料出尽くしと判断しているはずです。株式市場が素直に評価するなら、マルハニチロの反発が期待できます。

マルハニチロと日経平均株価の比較チャート2ヶ月分

1334-n-201401

マルハニチロと日経平均株価の日足を比較してみました。事件発表を境にして、両社の株価は極端な値動きになっています。マルハニチロは日経平均採用銘柄です。市場全体が上がっている時期は、マルハニチロは置き去りとなりました。

一方、昨晩のNYは大幅安。月曜日は市場全体がマイナスになるでしょう。上がるべき時に上がらなかったマルハニチロが、下がるときは一緒に下がるのか? マルハニチロが逆行高する展開になればいいんですけどね。

このページのトップヘ

見出し画像
×